人生を学ぶ

特に担当する人の部屋には休憩時間に色足が向いてしまうし、亡くなりそうなときには苑に泊まり込むという。 「お年寄りからは人生が学べます。婚約者を戦争で失い、以後ずっと独身で通したおばあさんの話とか:::たわいない会話の中にもその人の生きかたや人生が見えて、心動かされます」。だが介護職には今、心だけでなく専門性を高めるための意識改革も求められている。 「さくら苑の理事長は情報が早く、意識改革の必要性はずいぶん前から言っていました。施設の利用者には『措置を施す」のではなく、「サービスをさせていただく』こと、利用者はお客様であり、ホテルマンなみの接客意識を持つこと。服装にも気をつかってますよ。     さくら苑には制服がなく、「・自由に自分を表現しろ』と言われます。ただしお客様にさやわかな印象を与えるために、ジャ ジ姿は禁止、汚れた靴もダメ。ピアスやマニキュアはですが、お年寄りに不快感を与えてはプロとして失格です。もちろん技術と心がとも なわなければ意味がありませんが」。福祉施設でなくても、お店でもコンビニでも、人と接する仕事はたくさんある、と安井さんは言う。自分自身の家族を持ち、人と接し続けることが安井さんの夢である。「世の中にはほんとうにいろいろな人がいます。隣の人のことを他人と思わず関わっていきたい。人と関わるということは、自分自身をしっかり持っていなければできないこと ですが、同時に自分を支えてくれるんです」

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